こんにちは、ドロンパ院長です。
日々、人材採用や定着のコンサルティングをしていると、本当に雇用側と労働者側とで、日本では圧倒的に労働者側の方が立場が弱くなってしまっているということを日々痛感しています。
人事権を持っている人と話をすると「いかに労働者側に安くで休みなく働いてもらうか」というスタンスの人が圧倒的大多数を占めていることを実感せざるをえません。
中小企業の社長なんかになると「労基法なんか守ってたら会社が倒産する」と開き直っている人も多いです。
そうじゃなくて、もっと利益がでるようなビジネスモデルにしなくてはいけないというだけの話です。本来は対等の立場でないといけないですし、中国なんかでは労使紛争もバンバン起こっているなど世界の労働事情と日本の労働事情は違いすぎる。今後、このような動きはもっと活発になっていくことと思います。
そんな中、恐ろしいスマホアプリが登場しました。
その名も『ブラゼロ』
ブラック企業ゼロの略です。
「ブラゼロ」は、働く人が勤怠状況や職場の悩みを記録できるアプリだ。GPS情報と連動したタイムカードで正確な出退勤時間の記録ができる。また、パワハラ、セクハラなど会社で受けたストレスやその状況を日記形式で記録することができる。
タイムカードと日記は、一度記録したものを後から書き換えることが一切できない仕様になっている。運営会社によると、これらが裁判での証拠としても有利に働く可能性があるということだ。
月額240円で有料会員になると、労働条件や環境の改善を求める要求書を匿名で会社に送ることができる。ブラゼロが、ユーザーの身元を一切明かすことなく、勤務先へファックスがメールで要求書を送るという流れだ。
http://www.huffingtonpost.jp/2017/05/24/burazero_n_16794666.html
このように様々な機能があるようです。
GPSと連動したタイムカードなんてのは、「会社にいた」という証明になるので、あとは仕事をしていたという証明さえできれば未払いの残業代を請求し放題なのでは???
また、タイムカード機能も書き換え不可ということで改ざんができなくなっている。
そしてこのブラゼロのメール送信機能、FAXで届くというのがポイントかと思います。メールであれば代表アドレスや人事等の共通アドレス、また中小企業であれば社長のアドレスになるかと思います。最近は迷惑メールのフィルターが進化していますからそこに放り込まれることもあるでしょう。また、メールですから受け取った本人が事を荒立てなければ話題になることもありません。
ですが、これがFAXであれば色んな人の目につくことになります。
例えば事務的な仕事をしている人が見て、部長の机に置いたとします。当然内容は見ていますから、部長がどういう対応をするのか見守ることになるでしょう。またその後も事務員同士の話のネタになるかもしれませんね。
私は雇用側の仕事をしているのでどうしても雇用側の立場に立ってしまいますが
「なんと恐ろしいアプリか!」
と思います。と同時に労働者側でもあるので
「なんと素晴らしいアプリがでたのか!」
とも思います。
日本は法治国家で、労働者の権利も明文化されて認められている部分が非常に多いです。労働力を搾取するブラック企業はもってのほかですが、権利のことを知らなさすぎる労働者側も問題です。学校で労基法もある程度まで教えたらいいのに・・・と思ったら学校自体がかなりのブラック職場になっているような状況です。
労働者と雇用者が対等の立場になるのはいつのことやら。